妙香寺(みょうこうじ)に安置されている薬師如来は、茨城県内でも有数の大きさを誇る仏像で、「丈六薬師(じょうろくやくし)」の愛称で親しまれています。
檜材を使った寄木造の方法で製作された高さ3.6mの立像で、表面は漆塗りで仕上げられ、彩色(さいしき)も施されています。
手に薬壷(やっこ)を持って立つ豊満な中にも威厳のある表情は、病苦や暗黒を救うとされる薬師如来にふさわしく、作風から室町時代の作と推定されます。
平成3年(1991)に胎内をファイバースコープ調査したところ、墨書(ぼくしょ)や木札が発見され、宝永3年(1706)に尊海という道士が寄付を集めて、仏師の櫻井右近定運の手により修理されたことが判明しました。
当時の寄進者名簿勧化帳(かんげちょう)も残されており、当時から近郷の信仰を集めていたことが理解されます。
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薬師如来立像(稲敷郡美浦村)
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